セコリジャパンスクールは、モデリスト養成のプロフェッショナルスクールです

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セコリジャパンスクールのご案内

「コロナ後」に問われるのは「個」の力です。セコリは努力するあなたに寄り添います。

新型コロナウイルスは世の中の在り様を変えつつあります。いちばん重要なことは、消費者・生活者の意識の変化です。「不要不急なもの」には手を出さない。手を出すのは「本当に欲しいもの」。消費者が「欲しい商品」「欲しがる商品」をつくる ―消費者が「欲しい商品」をつくる力こそ、あなたに求められているのです。


「欲しい商品をつくる力」 ―その源は「パターン力」です。

デジタル化・IT化の流れは設計・縫製などモノ作りの現場にも押し寄せています。パターン設計では3DCADの普及も進みます。しかし、「出来上がりの商品」をイメージし、パターンの善し悪しを判断するのはあなたの「見る目」。「デジタルとアナログの融合」による「パターン力」が問われています。


「パターン力」を支えるセコリシステム

セコリ方式は、イタリアの長い洋服の歴史と人体構造の考察によるプロポーションを重視したパターンメーキング・システムです。ワンピース、ジャケット、コート、スカート、パンツなどアイテムごとの原型があり、セコリ原型を羅針盤として、「バランスが崩れない」応用・展開ができるのです。2000年にスタートしたセコリジャパンスクールは23年目を迎えます。イタリアの服づくりのエッセンスを取り入れつつ日本の実情を踏まえて、3年間通しの本コースのほか、アイテム別選択コースの「速修コース」や、その時々のニーズを踏まえたオープンセミナー、修了者を対象としたブラッシュアップコース、How to Secoliなど、スキルアップをお考えの皆様方のご要望に即したきめ細やかなカリキュラムを用意しています。是非、「セコリ」の門を叩いてください。


セコリジャパンスクールのメリット5項目 セコリ方式は”縫えるバターン”作りが前提

セコリ方式は“縫えるパターン”作りが前提になっています。縫製の時間や縫製工場見学を取り入れるなど、常に縫製と素材と
の関連を意識したパターン作りを目指します。


モデリストの心構えや仕事の仕方も会得

モノ作りをする上で、デザイナーや他の関連部署、さらに縫製工場などとのコミュニケーション能力がモデリストに求められます。
セコリジャパンスクールでは、単にパターンを引くだけではなく、モノ作りのトータルがわかる真のモデリストに近づくための心構
えや仕事の仕方を学びます。


受講生同士の交流が将来の貴重な財産に

受講生同士の交流の中から、自発的なセコリ・サークルが生まれています。

企業などの中だけでは得られない経験と交流が貴重な財産になります。また、コース終了後は服づくり・マッチング支援のJ-ProNet会員になる資格を得ます。


イタリアの技術系を日本の実情を踏まえカリキュラム編成

セコリジャパンスクールは、イタリアで最も実績のあるモデリスト養成校・セコリ校とのライセンス契約による世界初の海外校です。

セコリ・ミラノ本校で資格を得た日本人講師が、日本の実情を踏まえて指導します。


世界に通用するモデリストをめさすには最高の環境

イタリア人講師による特別研修、日本人講師・外部特別講師によるスペシャルコース、工場見学などを組み入れます。
セコリジャパンスクールには、正規の講師以外にも優れた特別講師・サポーターの方々が控えており、日本とイタリアの幅広い
ネットワークもセコリならではの魅力です。「世界に通用するモデリスト」を目指すには最高の環境を提供します。


講師からひと言
講師長・柴山登光

2023年度開講にあたって
現在はCADでの作業が当たり前で、しかも「在り型利用」がほとんどです。商品のオリジナリティーと差別化で独自のパターンを作ろうとした時に、問われるのがパターン力です。デジタル時代と言われる中、セコリの教育法はあえてアナログです。スクールでは実際にハンドの作業を繰り返すことによって、変化に対応できるパターン力を自然に身に付けていただきます。
しかし、いくら良いパターンでも、時間がかかり過ぎてはいけません。セコリ方式はバランスを重視し、「平面でここまで出来る!」と実感できるシステムです。一からトワルでやって1日かかるところを半日で出来ます。セコリは生産性が高いのです。CADにも乗せやすく、浮いた時間を利用してトワルでじっくり確認・点検したり、高度な服づくりに挑戦できます。
イタリアにおいてモデリスト養成で圧倒的な実績を持つセコリ校。セコリジャパンスクールの講師陣はセコリの真髄を学び取り、かつ日本の現状や土壌を踏まえた授業を行っています。セコリジャパンスクールは本年度で開校23年目。セコリを学んだ多くの受講者が企業で、あるいは学校などでセコリ方式を有効に活用しておられます。社会人が勉強する場が減ってきている中で、セコリへの期待が高まりつつあるのを感じます。
セコリは進化し続けています。スキルアップへ向けて共に学びましょう。


 

 


修了者へのインタビュー 奥井伴子

指導する立場になり受講を決意

――セコリを受講する動機は何でしたか?
「2012年に管理職になりまして当時40人ほどいたパタンナーをまとめる立場になりました。新入社員に会社の中での動きとパターンも教えなければいけないと思ったのが受講のきっかけです。自分流になっていたので何かを習って取り込みたいと考えました。セコリを受講されその後講師になっておられる土田こずえ先生が会社にいらっしゃったのも大きかったと思います」
――セコリを受講する前と後のセコリに対する認識はどうでしたか?
「受講前は正直よくわかっていませんでした。夏の説明会に参加しそこで初めて内容を知りましたが、入ってからは思った以上に濃かったです」
――セコリは1年目に原型、2年目と3年目でファンタジア(応用展開)、ズヴィルッポ(グレーディング)、縫製を学びます。それぞれについての感想を。
「セコリの原型(バーゼ)は全てのアイテムに胸ダーツ有り、胸ダーツ無しがあります。
原型は他でもやっていましたが、胸ダーツ無しの原型というのはなかったのでびっくりしました。会社の仕事は主に身体に沿った立体的なアイテムなので胸ダーツ有りの原形でほぼまかなえますが、少し尖ったものをやるときに胸ダーツ無しの原型はすごく役に立ち、応用の幅が広がりました。グレーディングでも胸ダーツ有りの場合と無しの場合でそれぞれ繋がっていくのですごく勉強になりました」
――バーゼの授業全般はどんな印象ですか?
「スタートは10名のクラスで内8名がパタンナーでした。皆さん現役なので質問の内容も濃かった。お昼休みにそれぞれの仕事の悩みなどの情報交換も出来たのでとてもいいメンバーでした」
――2年目からのファンタジアは
「たくさんのことをやりましたが、ここから展開するというポイントが必ずあったのでそこがぶれないのは覚えやすかったです。仕事でもポイントを理解して進めると作業効率が上がったと感じています。また授業では色々な先生がそれぞれの経験値で教えてくれるので楽しかったです。この生地の場合はこうしたとか、こういう失敗があったとか色々聞けたのが良かったですね」
――ズヴィルッポはどうでしたか?
「仕事でグレーディングはしていなかったので最初は動きが全然わからず四苦八苦しました。理論がわかってくると、会社でデザイナーからの全体的に小さくしたいとか、大きくしたいという要望にもスムーズにいくように感じました。それまでは平行線を引くようなやり方でしたが、アームホールをいじりたくない場合などにズヴィルッポを習ったのがすごく役に立ちました」
――縫製はどうでしょうか?
「会社ではシーチングを縫うくらいしかしていなかったので実際の生地を裏地までつけて仕上げるというのは学生の時以来でした。表地だけとか部分縫いだけとかはあったが、自分のサイズで全て仕上げられるのはなかなか他ではない。自分で縫うとどうしてもパターンが気になって失敗が見えてくる。それを工場さんにいつも感じさせているんだと身に染みて感じました」
――総合的にはどうでしたか?
「教科書に書いてないことを先生方がよく言ってくれていたのでそれを一生懸命メモしていました。セコリの先生は企業などで働いておられている先生なのですごいと思います。また様々な会社から受講生が集まり、情報交換できることがとても刺激になり、励みにもなりました」

岩永知沙

子供服でもセコリの有効性を実感

――セコリとの出会いから。
「子供服の会社で働いていますが、子供服と大人服のミックスの親子ペアのブランドを作るということでレディスを引ける外注のパタンナーさんに指導に来てもらっていました。その方がセコリに通っていました。その後、1から原型を勉強したいと思い、関西校の説明会に参加し入ることを決めました」
――子供服をやっていてレディスをやることに抵抗はありませんでしたか?
「子供服も10年ほど前からレディスから落とし込んだようなデザインが増え子供服業界のデザインの幅が広がってきました。専門学校ではレディスを勉強して会社で子供服を教えてもらいましたが、パターンの展開などの深い部分はわからない環境でした。外注のパタンナーさんに教えてもらった時、出来ているつもりでいた自分がゼロに戻ったような衝撃を受け、もっと勉強しなければと思いました」
――入ってからの印象はどうでしたか?
「当時私は20代後半でしたが、正直最初はまったくわかりませんでした。作業自体がそこまで難しかったわけではないのですが、質問される内容だったり先生方が話す雑談などの意味がわからなくて、まわりはプロのパタンナーさんばかりの中で最初、自分にはまだ早かったのではないか、もっと勉強してからの方がよかったのではないかという葛藤はありました。ただ先生方から3年間やってこそ原型を活かすことが出来ると言ってもらっていたので、来たからには3年通って卒業しようと決めてやっていました」
――ズヴィルッポに関してはどのような印象を持ちましたか?
「子供服の会社でも展開は多く、当時は手でグレーディングをしていたので、考え方や移動の仕方など割とすんなり入ることが出来ました」
――今、CADでグレーディングする際にも活かせていますか?
「セコリで手で引いていた経験があるのでCADのグレーディングもすごくしやすくなります。私の中でスムーズにCADが使える一つの要素になっています。CADでもっとこうできたらいいのにと思うこともあり、それは自分で考えて抜き出したりしながらやっています」
――グレーディングはアナログをわかっていると気づくことも多い。
「ブランドごとのピッチを入れるなど最初の設定を作るのが子供服はサイズが多いので大変なのですが、私が担当だったのでその時に経験が活きました」
――セコリでの経験が活きて自分のものになっていると。
「グレーディングの考え方や線の見方などが役立っています。CADの説明はあってもピッチ配分はすべて自社で決めるので、それが間違っていないかなどの確認の仕方はセコリで学んだ通りやりました」
――ファンタジアは例えばどういう部分が役立ちましたか?
「子供服なので全体で使うことはないのですが、ギャザーを入れる際の展開などポイント、ポイントでは過程を思い出しながらピッコロを見直していました」
――3年間受けての感想は総じていかがでしたか?
「セコリに来てよかったのは色々な人と関われたことと、後につながるセミナーに参加するなどの情報が持てたことなどです。卒業したばかりの頃はセコリで学んだ知識の実際の仕事での活かし方がわからなかったが、それが年数を重ねて少しずつあの時言っていたことはこういうことなんだと繋がるようになってきました」
――すぐには使い方がわからなくても自分の中にしっかり入っているものがあり、後で活かすことが出来たのですね。
「在学中は出来るだけ休まずに通おうと決めていました。必死で作業をした感じの3年間でした。その時は実感はありませんでしたが最近になってそれがようやく活きてきたと感じます」
――3年間は大変かも知れませんが、続けたからこそという部分がありますね。セコリにはベースになる知識や情報ネットワークがありますが、それにはそれなりの期間が必要。柴山講師長も『人生の中である時期、没頭する期間は必要』とよく言っています。
「私がセコリを始めるきっかけは仕事での行き詰まりや知識不足の実感でしたが、今は仕事のためだけでなく自分の知識の幅が広がれば結果的に仕事にもつながると思うようになりました。3年間は長いようですが、あっと言う間でした」

小池雅子

セコリで"縫えるパターン"を意識

――受講のきっかけを教えてください。
「新潟の工場に3年間勤務して帰ってきたのが2014年の1月で、その時パタンナーグループのチーフになりました。ブランドのチーフ経験はありましたがパタンナーグループのチーフは初めてでした。それまでは勉強嫌いでセミナーにもあまり参加していなかったが、自分の中で何とかしなければという思いがあり、同僚で何名かセコリに興味のある人たちがいて、その人たちから話を聞いていたのがきっかけでした」
――入ってからはどうでしたか?
「1年目は11名でしたが、その中には岩手や福島の工場からきている人もいれば建築のようなことをしている人もいましたしデザイナーもいて、バラエティーに富んだ集まりでした。パタンナーは5人でしたが、同じ会社に関わっていた人が私を含めて3人いたので話が早かったです。バーゼ自体はパタンナー経験の私たちには囲み作図は難しいことではなかったが、考え方がメンズに近く婦人とは違っていました。細々したことではなく大きな
括りでどうしたいのか、そのためにはどうするのかを学ぶことが出来た。今、自分が職場で質問される時も、あなたはどうしたいの?と聞いて、返ってきたものに対してどうしたら良いかという話の持っていき方が出来るようになった。それはセコリの3年間の経験が生きています。バーゼは今でも何かあるたびに見返しています。原型はコートにも使ったし、応用が利くので実際のパターンでも活用しています。特に今はビッグシルエットなので本当に助かっています」
――ファンタジアはどうでしたか?
「色々展開していくのは楽しかったし普段の仕事でやることもあるので入りやすかった。簡単なものから難しいものまで色々なものが混在していて良かったと思う。メンズ出身や工場の人はファンタジアをやったことがないのですが、それに対しても先生方や受講生同士で話しながらやるのは楽しかったですね。縫いも含めて実際に会社でやっていることと近く違和感はなかったです」
――ズヴィルッポについてはどうですか?
「何となくのグレーディングの知識と経験はありましたが、セコリでは起点があってそこに向かってやっているという動きがわかって良かった。はじめはどこに起点を持ってくるかで戸惑いましたが、慣れてくると自分でこの線がおかしいなどが見えるようになった。実際に会社で使わなくても考え方がわかる。グレーディングに慣れていない人でも大きくても小さくてもバランスを崩してはいけないというのが学べていいと思います」
――縫製はどうでしたか?
「私は縫製が大好きで会社でも研修などをやっていたので身近な感じがしました。もっとやりたかったし時間が欲しかったです。3年目のジャケットは、技能検定でジャケットを6時間で2枚縫うのと同じタイミングでやっていたので高橋かおる先生の授業はとても役に立ちました」
――技能検定は取れましたか?
「今年縫製1級に受かりました。セコリも技能検定も2014年に新潟から戻ってから始めましたが、パタンナーは縫製がわからなければいけないとすごく感じることが出来ました。自分で縫ってみるとダメなパターンや合印の欲しい場所などがわかってくる。今は課員に工場に丸投げするのではなく自分で縫えるパターンになっているかと言えるようになった。縫製もセコリの中で学べるとは思っていなかったが、パタンナーでも縫製に慣れていない人にもすごく良かったと思います。毎年4月に行われる縫製工場見学もセコリならではと思います」
――総合的にはどうでしたか?
「セコリの先生方は現場に近いところにおられ、私たちのようなパタンナーにはすごく説得力があり力強い答えを持っている人が揃っている。柴山登光先生などからポロっと出てくる小ネタにこそ役に立つネタが多く、経験値からくる話を聞けるのが1番良かった。色んな人がいてどんな角度からの質問が来るかわからないが、先生たちから答えがすぐに返ってくる。さすがだと思いました」
受験者の声 受講生:潮田芳美

私のセコリ体験:きっかけはミラノでの研修

セコリジャパンスクール東京校で2008年9月開講の8期生として3年間学びました。きっかけは、短期間でしたが会社の海外研修でイタリア・ミラノのセコリ校に行く機会があり、もっとセコリを勉強したいと思ったからです。日本にセコリジャパンスクールがあることを同僚に教えてもらい、帰国後すぐセコリジャパンスクールの本部に連絡し受講しました。
セコリを受講した直接のきっかけはミラノでの研修でしたが、会社での立場上、スタッフの人に教えたりする時に、自分の持っている理論があやふやになって来ていることを感じるようになっていたのも理由の一つです。

基礎がしっかりしているセコリ

イタリアのセコリで感じたのは、きちんと基礎があるということ。また、イタリアのモデリストたちの多くがセコリを出ているということも改めて知りました。カッコいいイタリアの洋服はセコリを出たモデリストが作っていると実感できたのは大きかったと思います。
セコリの授業では手で紙にパターンを引きます。会社ではほとんどCADでの作業。久しく紙では引かなくなっていたので、そこは非常に新鮮でした。以前、手で引いていた時はきれいに引けていたつもりでしたが、こんなに引けなくなっているんだ、と痛感しました。改めて実物で引くことの大切さを知り、若いスタッフが入ってきた時に、見なければいけない所がわかり、教えやすくなりました。何事も基礎は大事です。基礎をもう一度やれたということは大きかったと思います。

セコリの原型を使いCADで作業

セコリでは、何かでわからなかったり、疑問に思った時に先生にすぐ聞け、教えてもらえるのもすごく良かったです。先生たちは実践の経験も豊富で、会社の職場で実際に起こっている問題にも答えが返って来ます。こうした授業プラスアルファの部分もセコリならではです。本コースに通い、ある程度長い期間学べたからかも知れませんが、先生や受講生仲間との横のつながりは私の財産です。いま会社では、デザインをもらってベースのパターンはセコリで習ったもので作り、そこから展開する方法です。もちろんCADを使って作業しますが、基本はセコリの原型です。セコリを修了後も、ポイント、ポイントでセコリに行けたらと思うことがあります。セコリでは修了後も学べるというのはすばらしいと思います。

 


 

受講生:坂元孝史

私にとってセコリは強力なツールです。

セコリを受講するとなったきっかけは、私が東京転勤中に知人に事務局を通して紹介いただいた一冊のパンフレットでした。その中の“縫えるパターン”という文字が目に入り、直ぐに東京校に申し込みをしました。一年後、神戸本社に戻ることになり、関西校に編入しましたが、地域的な受け入れ態勢も整っていました。
パタンナーとしての経験を積んでいくうちにパターンと縫製、そして整合性の有るパターンメーキングとは何か、と日々模索している中の受講となり、私にとっては大きな転機となる出会いでした。それまでは経験則や過去のデータが頼りでしたし、また、他のパタンナーとのやりとりの際にも、それぞれが習得してきた製図方式の違いから、話が頓挫したりの連続でした。しかし、セコリを受講しイタリアのバランス感覚や日本では見聞きしたことのない考え方を知ることができ、格段に視野が広がり、的が絞れたように思います。
そして、実際の仕事では自分で仕上げたパターンのチェックはもちろん、他のパタンナーや外注パタンナーのバランスチェックに応用し、パターンの整合性強化とパターンメーキングのスピードアップを実感しています。
“セコリ”を実際に受講した強みの一つに、“~式”や"立場"にとらわれず、“パターンの共通言語”を理解できるところにあると思います。
修了式にはイタリアから講師が訪れ、日本に居ながらにして指導や様々な話を聞くことが出来るのも大きな魅力になっています。
また「習うセコリから使うセコリへ」をモットーにセコリ修了後もセコリを深く掘り下げる環境が整っています。
私にとって“セコリ”は自分の潜在能力を引き出してくれる強力なツールです。

 


 

受講生:村瀬沢美

タイミング良かったセコリとの出会い

若い頃、会社の大先輩である大津康子さんにパターンを習い、凄い人だなと思いました。その大津さんがセコリに行って勉強されているということを知ったのが、セコリという名前との出会いです。その後何年か経ち、ある程度の年齢に達し、自分で仕事の内容に満足出来ず、これから先やっていくためには何かしないといけないと感じていた時、たまたま芯地メーカーの技術セミナーでセコリの話が出て、すぐに受講を決意しました。
年を取るにつれて、教えてくれる人がいなくなりますし、また、ブランドが替わるうちに、仕事中に教わる時間もなくなって来ます。しかし、考えてみると、その年齢になれば、自分が教えるぐらいになっていないといけないのです。
セコリは原型(バーゼ)から入って、応用Ⅰ、応用Ⅱでグレーディングと応用展開に進みますが、私の場合は最初のバーゼで要点を押さえてパターンを引くことを学び、特にラグランの袖の引き方は本当に役に立ちました。セコリを習うとラグランは一発で出来るので楽しいのです。また、バーゼで柴山登光先生からジャケットのくせ取りを習い、工場さんに行ってもきちんと対応できました。グレーディングは大嫌いでしたが、違うブランドに行き、サイズピッチの見直しをした時、習っておいて良かったと痛感しました。ファンタジアでは、自分がやってきたことを振り返り、自信を持って人に教えられることが出来ると思いました。
セコリは繰り返しが多く、訓練している感じです。今、若い人は即、CADでやり出すので、実寸でモノを見て、トワルで組んで確認して、というのが仕事ではなかなか出来なくなってきています。先輩たちのパターンを見ることも、トレースすることもなくなっています。そんなことからもセコリの存在意義が浮かんでくるように思います。
私にとってはセコリは、パターンメーカー・モデリストとしての自分の成長過程や会社が要求していることとうまい具合にタイミングが合ったと感じています。

 

受講生:土屋慶一

CADの開発者がセコリに挑戦

――土屋さんはCADメーカーである東レACSで開発を担当されています。セコリを受講されたきっかけは?
「僕がセコリに入校したのは2015年9月です。当時の多田明博社長が誰か一人セコリで学ばせようと考えておられ、社内で立候補を募る形で決めてもらいました」
――セコリに入っての率直な感想は?
「当時も今も開発部にいますが、業務範囲を広げる上では間違いなくセコリに入って良かったと思っています。非常に仲間にも先生にも恵まれ、有意義な3年間だったと思います。今役に立っていることで言うと、一つはヌード寸法をベースとした服の設計の基礎的な考え方を習得できたことです。ゆとりとヌードで成り立っていて、あとはバランスが大事だというセコリの考え方。そういうところを学んだことが今非常に業務上役に立っています。あと僕の業務は3DCADの開発がメインなんですけど、3DCADの精度向上という点で、トワルを組むという経験を積めたのは良かった。グレーディングに関しても、オーダーメイドのソフト開発を進める上でグレーディングの考え方を勉強できたのは良かったです」
――具体的には?
「グレーディングする時に、例えば、ここは水平に出した方がいいとか、ここは寸法に合わせた方がいいとか。要はバランスをとるべき所と体に合わせるべき所の区別がつくようになったことです。美しい服を作るのに、体に合わせた方がきれいになる所もあれば、合わせずにバランスで整えたほうがいい所もある。そういうことを知った上で開発するのは意味があるなと思います」
――3Dの精度向上はどの部分が?
「担当がメインの3Dになった時、結構思いつきで開発していた節があったんです。技術者がこうしたらきれいになるんじゃないかという、PDCAサイクルがなかったんです。PLANとDOしかなく、改善がなかったんです。改善するためには改善すべきことを知らないといけない。それが分かるためには服作りの知識が必要最低限いる。志望理由で書いたんですけど、PDCAのチェックをするに当たりセコリが必要になるだろうと。その点で、チェック機能が非常にうまく動くようになったのではと思います。開発する時にも現物ベースです。要は3D上のシミュレーションした結果と実物のサンプルのトワルを比較しながらプログラムを直すというプロセスはセコリ卒業後入れました」
――ファッション専門学校とセコリの違いはどう感じていますか?
「専門学校を知らないので分からないですけど、僕が重宝がられているのはヌードを知っていてゆとりをどこに入れるかを意識しているというところじゃないかなと思います。僕がメインで開発している3D計測値を使ったオーダーメードシステムも3D関連でやっていて、3D計測値はヌード寸法が出てくるんです。それを見ても服にならない。他のパタンナーさんがやろうとしてもなかなかうまく行かない。何故かというとゆとりの考え方に抜けている部分があるからです。既製服を作っていると日本は上がり寸法で考える。だからヌードを見てもこの人はどの寸法を着ればいいのかわからないみたいなところがあります。その部分で言うと、セコリを経験しているか、していないかの差はあるのではないかと思います」

1年目のセコリの授業は大変でした

――入校してからの授業の感想は?
「初めの1年は大変でした。そんなに甘いものではないというか、ついて行くのがしんどかったですし、先生たちのおかげでなんとかついて行けた。縫い方なんて全くわからないし、どうしていいのか隣を見てなんとかついて行っていた感じです。単純に課題をこなすのが結構大変でした。僕は服作りのプロになろうとしているわけではない。時間は有限なので、それ以外の勉強もしないといけないし、そのバランスをどう取るかという葛藤はありました」
――2年目の応用Ⅰに進級した決め手は?
「特に理由はないですけど、クラスメートのサポートというか、あのメンバーとまだ続けたいなという思い。山は登ってみないと分からないだろうという根性論的な部分も自分に言い聞かせた感じです」
――2年目の感想は?
「1年目ほど大変じゃないなと。たぶん慣れたとういのもあります。あと、バーゼは数字がいっぱい出てきますが、理系人間だからその根拠を知りたいわけです。でも根拠はずっと培われてきた統計的なものであって、根拠を説明できるようなものではなくて経験則。だから気持ち悪いんです、理系の目線で見る人間にとっては。何でそうなるのかを知りたいという知的好奇心の塊の人間にとって、経験値ですとか経験則ですと言われてしまうとそこで遮断されてしまう。深掘りができなくなる。経験則に基づいたものを頭に突っ込むという1年間です。2年目からはどちらかというと、こうデザインする時に、このくらいの寸法を開くとこうなるという論理的な話に変わっていく。理屈人間からしてみるとそれで面白くなりました。こういう時にはこういう風にすればいいというロジックを学ぶのが2年目。袖山をこうするとこういうデザインに変わるとか。そこは結構理解しやすい。幾何学的な問題に変わって行く。こういう人間にとっては非常に理解しやすい」
――目指すべきデザインと原型の関係性がつながる?
「そこが腑に落ちてくるので楽しかったし、1年目よりは入ってきやすかった。2、3年目は全然苦じゃなかった」
――ズヴィルッポはお手のもの?
「グレーディングに関して言うと、寸法に基づいて動くので理解に苦しむなんてことは一切無かった。もともとグレーディングの開発担当ですし。ACSのグレーディングはダーツは開いたり閉じたりしないんです。本来ダーツ量を動かすべきところだというのもよく理解出来るし、そこら辺は新鮮なところはありました」
――土屋さんのことを先生は、メモしなくても分かっていると話していました。
「僕はメモを書けない人なんです。メモ書いていると人の話が飛んじゃうんです。でも聞くことに集中していないと、頭に入らないので、あれは集中タイムでした。先生にメモ取らなくて大丈夫なの?と言われましたけど、最低限取ってはいるんですよ。一語一句取ろうとするとメモを取ることに集中して本質的なことを逃がしちゃうので、あとで思い出すきっかけになるようなフレーズ、キーワードだけメモに取っています」
――2、3年目になると縫製がありますが。
「パンツはしんどかったかもしれないですね。学生時代にパンツを縫ったことはあったんですけど、あんな工業的な物ではなく、トワルで縫いましたので、アイロンの処理や縫製仕様が全く理解きなかった。縫製していちばん良かったなと思うのは、今は3Dに縫い代やアイロンでクセ取りする概念は入れられてないですけど、そういう概念があって形ができるというのが分かったので、今後にご期待下さいというところです」

3Dの開発にセコリの経験をいかす

――3Dも立体の服を作ることが分かっていないとだめですが、それを知る契機になった?
「そうですね。その目的で行きましたし、行った以上成果を出さないといけない。どう落とし込んで開発に繋げるかというのはだいぶ変わりました」
――セコリの全体を通してコメントを。
「僕はパタンナーでも服作りのプロでもないので言い難いところはありますけど、縫えるパターンは何なのかというところです。逆に縫ってみると曖昧なところも出て来て、細かいことを気にしてパターンを引いてもそんなの縫えないみたいなこともある。奥が深いなと。それを知っていて引くのと引かないのでは全然違う」
――縫えるパターンが大事?
「そこをみなさん意識しているんだろうなと。僕らの目指す3Dは縫えないパターンは縫えないように見えるというのが究極の目標。普通の3DCADはカーブがいかに悪かろうが何しようが、それっぽい形になりますよね。それをそれっぽい形にしないCADを作りたい。こうしたら縫えない、こうしたら着にくいというのが見えるCADにしたい。だからセコリに行ったということです。3D一本でやっている会社には対抗できていない部分もありますけど、ちょっと尖った3DCADを作りたいなと思っています」
――CG系との違いかもしれませんね?
「そこでちょっと差別化できる、パタンナーのための3DCADを作っていきたいですね。そういうことが見られるようにならないと意味がない。これはなかなか非常にハードルが高いです。いつできるかも分からないけど、一歩ずつ着実に進歩しているのは事実だと思います。セコリに行った後ですけど、縫えないパターンを大量に作ったんです。それでちゃんと縫えないことが確認できるかというのを検証しています。そういう発想に至ったのはセコリの経験があったからかもしれないです」

取り敢えず一歩を踏み出して見る

――セコリを学ぶに当たってアドバイスは?
「取り敢えず一歩踏み出してみたらどうですかということでしょうか。時間を取るのも難しいと思うし、ネガティブなことを先に考えてしまうと思いますけど、一歩踏み出して、あんまり考えないでやって見ようよと。よくしようという人が集まるところに入れるのはすごいことだと思う」
――セコリの講師の先生については?
「僕の印象では、セコリの先生方は問題意識、課題意識を持って自分も学ぼうと思っている方が多い。そういう課題意識があって何とか解決しようとしている人はパワーがすごい。情熱というか力というか。そういう人に触れるというのは大事ですよね。だからお金を払う価値があると思うんです。僕はそういう所ですごい力をもらいました」

 


セコリジャパンスクールは工場漢学なども積極的に取り入れます 授業風景

セコリジャパンスクールは日本の実情にあった講習が特徴です。毎年日本各地の有数のアパレル工場の見学を実施しており、
通常では得られない現場の技術を学ぶことができます。
岩手、大阪、小豆島、荘内、唐津、九十九里、石川、鳥取、福井、豊橋、長野、岡山などの国内有数の高度な技術を持っている
工場の見学を実施しています。
セコリジャパンスクールのライセンサーであるイタリア本校(istituto secoli)は、プラダ、グッチ、ヒューゴ・ボス、ゼニアといった世界的なファッション・アパレル企業と密接な関係を築いています。セコリジャパンスクールは3年間のコース修了者を対象に2年に1回、イタリアツアーを実施し、イタリア各地のアパレルメーカー・縫製工場を見学しています。

 

 


関西校
東京校
名古屋校
2012年度開講中